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開催期間:2019年1月18日(金)~3月10日(日) 会期中無休

百段雛まつり2019 青森・秋田・山形ひな紀行



雛の故郷ご紹介
今回大切なお雛さまをご出展頂く皆様や、青森、秋田、山形の雛めぐりの様子をご紹介します。

青森・弘前/[東京初公開]旧弘前藩主 津軽家の雛道具


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上・右下/姫君の婚礼調度をしのぶ雛道具
左下/桜に囲まれた春の弘前

青森県弘前市は、日本屈指の桜の名所として知られる城下町です。津軽を統一した津軽為信が計画し、二代信枚が1611年に完成させた弘前城では春には満開の桜が一望できるほか、2600本の桜が咲き誇る弘前公園の花筏など、その絶景はあまりにも有名です。夏の弘前ねぷた祭りや、「みちのく五大雪まつり」に数えられる弘前城雪灯篭祭りなど、四季折々の祭りや、 りんごの生産量日本一の町としても知られています。
弘前市立博物館は、弘前藩政の要となった弘前城跡三の丸の一角にたたずみ、弘前藩政を中心とした歴史や 美術工芸資料を展示しています。毎年雛まつりの時期には郷土ゆかりの雛人形や雛道具が展示され、市内外から訪れたたくさんの人々で賑わいます。 最後の弘前藩主・津軽承昭(つぐあきら)伯爵が明治後期に誂えたものと伝えられる「蠟色笹唐草御紋付雛道具(ろいろささからくさごもんつきひなどうぐ)」は、全てを並べると全長16メートルにもなる大変立派なもので、旧弘前藩主家である津軽家から博物館へ寄贈されました。明治時代に作られたものとはいえ、大名家の姫君の華やかな生活を彷彿とさせるような婚礼調度の数々はまさに圧巻の世界です。 東京での公開は本展が初となるこの貴重な機会に、ぜひお見逃しなくご覧ください。

青森・弘前/津軽の郷土玩具 下川原焼のお雛さま


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左上/下川原焼のお雛さま、右上/七代目窯元 高谷智二さん
下/「妖怪シリーズ」と色鮮やかな人形たち

下川原焼土人形は、津軽の伝統的な郷土人形の一つです。 藩政時代、津軽藩の焼物職人たちの冬場の仕事が「土人形づくり」でした。 江戸時代に、初代高谷金蔵が津軽藩に召抱えられて下川原に窯を築き、冬に人形や玩具を焼いたのが始まりです。何色もの色で鮮やかに彩色された人形は、鳩笛、縁起物など様々なモチーフがありますが、雛まつりの時期にはお雛さまも作られます。
青森県弘前市にある「高谷下川原焼土人形製陶所」は、代々下川原焼制作を継承し、 現在は七代目の高谷智二さんが人形制作を担っています。一つ一つ手仕事で作られる人形たちはそれぞれ表情が異なり、作品を求めて県外から工房を訪れるファンも少なくありません。 本展では、高谷家で代々制作された歴史あるお雛さまや、「妖怪シリーズ」など愛らしい郷土人形たちをご紹介します。

青森・八戸/遠藤家のお雛さま


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左上・左下・右上/有職雛や古今雛など、表情や衣裳、時代も様々なお雛さま
右下/八戸更上閣の雛まつりの様子

青森県の南東部に位置する八戸市は、南部地方の中心地として古くから栄えてきました。 300年の歴史を誇る国の重要無形民俗文化財である八戸三社大祭や冬の郷土芸能八戸えんぶりなど、日本を代表するお祭りでも有名です。 雛まつりの時期には、登録有形文化財「八戸更上閣」で歴史ある雛人形を展示する雛まつりが行われ、広い 会場いっぱいにお雛さまが飾られます。
遠藤家のお雛さまは、八戸在住の遠藤氏の個人コレクションです。 本展では、有職雛や古今雛をはじめとする優麗なお雛さまと雛道具、童子顔の七福神や三歌人など、雅やかな人形たちが文化財を舞台に一堂に会します。 雛御殿の中にいるかのような、絢爛豪華な雛まつりの世界をご堪能ください。

青森・八戸/えんぶり人形


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左上/八戸えんぶりの様子、えんぶり人形
左下/えんぶり人形作家の下崎雅之さん

みちのく5大雪まつりの一つ「八戸えんぶり」は、厳しい寒さの八戸地方に春をよぶ豊作祈願の 郷土芸能です。冬の間眠っている田の神をゆさぶり起こし、田に魂をこめる儀式とされています。 「太夫」と呼ばれる舞手が馬の頭をかたどった華やかな烏帽子を被り頭を大きくふって舞う「摺り」 や、摺りの合間に行われる子どもたちのかわいらしい祝福芸、恵比寿様が鯛を釣り上げる様子を演じる「恵比寿舞」など、バラエティ豊かな舞が披露されます。 下崎雅之さんは、えんぶりを生き生きとした人形で表現するえんぶり人形作家です。 人形たちは、実在の人物をモデルに作られ、烏帽子や小物に至るまで全て手仕事で誂えられています。 凍てつく大地に春の息吹を告げる伝統の神事を、えんぶり人形たちの舞で体感下さい。

青森・七戸/盛田家のお雛さま


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左上/春の七戸・端龍寺山門
左下・右/盛田家での雛まつり展示の様子

青森県七戸町は、南部藩が治めた城下町として発展してきました。奥州街道の宿場町として栄え、かつては周辺経済の中心地でした。馬の産地としても名高く、絵馬を奉納する慣わしが今も息づく七戸町は「願いがかなう絵馬の町」とも呼ばれています。 「しちのへひなまつり」は、東北新幹線「七戸十和田駅」開業に合わせ、2010年に第一回が開催されました。つるし飾りや、個人の所蔵する歴史ある雛人形を公開し、歴史資源に光を当てるイベントとして、大きな注目を集め県内外から多くの観光客が訪れるようになりました。 七戸の旧家・盛田家のお雛さまは、江戸時代後期のものと伝わっています。 中でも珍しいのは、弦楽器を演奏する「三弦」の人形たち。 いきいきと楽器を演奏する表情や細部の細かな作りに注目ください。

秋田・由利本荘/本荘藩主 六郷家の古今雛と極小雛道具・本荘ごてんまり


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上/六郷家の極小雛道具(永泉寺所蔵)
左下/由利本荘の伝統工芸「本荘ごてんまり」(本荘郷土資料館所蔵)、右下/六郷家の古今雛(永泉寺所蔵)

秋田県の南西部に位置する由利本荘市は、南に秀麗な鳥海山、西は日本海に囲まれた自然豊かな街です。毎年雛まつりの時期には「由利本荘ひな街道」が開催され、街に伝わる歴史あるお雛さま約1,000体が一般公開されます。由利本荘市には江戸時代、本荘藩、亀田藩、矢島藩の3つの小藩が置かれ、それぞれに城下町が発展しました。港は北前船が寄港する河口港として栄え、酒田や上方との交易の中で、お雛さまをはじめ、 様々な物資が行き交っていました。 本展では、第11代本荘藩主 六郷政鑑(ろくごうまさあきら)の娘、賀子(よしこ)様の婚礼のお祝いに贈られた古今雛と雛道具が特別公開されます。 約50種類、総数でおよそ450個にも及ぶ極小の雛道具は黒漆に牡丹唐草の金蒔絵が施された精巧な作りで、江戸時代後期から幕末期にかけて江戸上野で江戸上野で製作された「七澤屋物」と伝わっています。 七澤屋物は江戸の贅の一つにも数えられ「その値は実に世帯を持つより貴し」とまで言われました。 東京での公開は初めてとなる、きらびやかな姫君の婚礼調度の世界をご堪能下さい。

秋田・湯沢/京野家のお雛さま



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上2点/雛屏風も艶やかな京野家のお雛さま、右下/湯沢の冬を代表する民俗行事「犬っこまつり」
左下/湯沢ロイヤルホテルでの雛まつりの様子

秋田県湯沢市は、広大な自然と歴史資源に囲まれた町です。 夏の「七夕絵どうろうまつり」や約400年続くと言われる冬の民俗行事「犬っこまつり」をはじめとする 季節ごとのお祭りや、山あいの秘湯や温泉郷を訪ね、年間を通してたくさんの観光客で賑わいます。 町の中心に位置し、主要な観光地にもほど近い湯沢ロイヤルホテルは、雛まつりの時期にエントランスロビーや館内の随所にお雛さまが飾られます。お雛さまはすべて、ホテルの創始者である京野公子さんのコレクションです。 内裏雛や御殿飾りなど様々な雛人形がホテルを彩り、お雛さまを見に多くの人が訪れます。 本展では、京野家のお雛さまの中から、通常は一般公開されていないお雛さまたちがお出ましします。 雪深い湯沢の町に春の訪れを告げる、雅やかなお雛さまをご堪能ください。

山形・酒田/酒田雛街道と傘福


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左上/芥子雛(酒田あいおい工藤美術館)、右上/木目込雛(酒田あいおい工藤美術館)
左下/日本三大つるし飾り「傘福」、右下/老舗菓子司「小松屋」のお雛菓子

山形県酒田市では、毎年雛まつりの時期になると「酒田雛街道」と題し、市内の至るところで お雛さまが展示される盛大な雛まつりが行われます。 酒田は江戸時代、北前船交易の一大拠点として繁栄し、「西の堺、東の酒田」と呼ばれるほどでした。酒田には江戸をはじめ京都や大阪からも北前船によって雛人形が運ばれ、その人形たちはさらに最上川舟運によって県内各地へと運ばれ、各家で大切に保管されてきました。 雛人形とともに飾られる「傘福」は、福岡県柳川市の「さげもん」、静岡県稲取市の「雛のつるり飾り」とともに日本三大つるし飾りの一つに数えられています。子どもの健やかな成長と夫婦円満、無病息災などを祈願して作られた飾りものであり、伝承民俗文化財でもあります。 また、天保三年(1832年)創業の御菓子司「小松屋」のお雛菓子は、その美しさで全国に名が知られています。 店伝来の木型で作られ、彩色もすべて職人の手で行われるお菓子は一つとして同じものがありません。 「百段雛まつり」では、酒田雛街道を彩るお雛さまたちと傘福の世界を体感ください。

山形・酒田/加藤家のお雛さま


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酒田の旧家、加藤家のお雛さまは、高さ40cmを越える江戸後期の古今雛をはじめ、雅楽を奏でる 楽人、百歳雛、胡蝶の舞などが残されています。女雛の衣装には絢爛豪華な刺繍が施され、これほど良い保存状態で残されているものは全国でも珍しく、大変貴重なお雛さまです。 京の都の様子が描かれた屏風とともに、酒田の歴史を物語る雅やかなお雛さまたちをご覧下さい。

山形・河北町/紅花の里の雛まつり


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左・右上/紅花資料館所蔵のお雛さま
右下/「谷地ひなまつり」の様子

山形県河北町は、江戸中期以降、最上川舟運の紅花の集散地として栄え、現在はお雛さまと紅花の里として知られています。紅花は中国から渡来し、次第に雪深い東北地方でも栽培されるようになりました。 生産された紅花は京都や大阪へ出荷され、紅花や米、油、真綿などの物産を移出した帰り荷として、関西地方から呉服や瀬戸物、塩、砂糖、小間物などが運び込まれました。 特に調度品、絵画、京人形等の美術工芸品が数多く移入され、現在でも町内には貴重な雛人形が数多く残されています。 毎年4月2日、3日には旧暦の雛まつりとして「谷地ひなまつり」が行われ、町内の各所で雛人形が公開されるほか、神社でのひな供養や、お祭りの屋台が並びたくさんの人々で賑わいます。

山形・山形/創作人形作家 大滝博子「雛のある風景」


大滝博子「雛のある風景」

左/お母さんの魔法の言葉、右上/命ありがとう、右下・左/おめかしした日、右下・右/みんな みんな 幸せ

子供の誕生、家族で祝う節供、母と娘の愛ある風景を山形県在住の創作人形作家-大滝博子さんが創る表情豊かな人形でご覧いただきます。
■大滝博子/創作人形作家(山形県天童市出身)
独学で粘土制作をはじめ、「日本手工芸美術展覧会」にて新人賞を受賞(2007)を皮切りに、「ユザワヤ創作大賞」「アーツクラフト展」「TBS・赤坂サカス ドールショー」などで数多くの受賞経験を持つ。2011年には東日本大震災の想いを込めた作品集「絆」、翌2012年には、命をつなぐ家族の愛を表現した「命ありがとう」を出版。また、全国各地で個展を開催するなど精力的に活動をしている。


特別協力/中川政七商店の郷土玩具

中川政七商店の郷土玩具

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1716(享保元)年、奈良の地で創業した中川政七商店は、創業以来手積み手織りの麻織物を扱い続け300年以上の歴史を持つ老舗店です。17世紀後半から18世紀前半にかけてピークを迎えた 奈良晒(ならざらし)産業の黄金期、初代中屋喜兵衛が奈良晒の商いを始めたのが始まりです。 現在は「遊中川」「日本市」といったブランドを展開し、幅広く生活雑貨や茶道具などの製造・卸・小売も手がけています。 近年では「日本の工芸を元気にする!」というビジョンのもと、各地の工芸を現場へ再生させる 取組みを行っています。 本展では、中川政七商店の手がけるモダンなお雛さまと郷土玩具をご紹介するとともに、ミュージアムショップでは関連グッズの販売もございます。 多様な形で現代へと紡がれる工芸の世界をお楽しみください。

特別協力/原孝州のお雛さま

原孝州のお雛さま

昨年度展示の様子

創業明治44(1911)年、東京・浅草橋で無形文化財の技術を継承する人形作家の老舗「原孝洲」のお雛さまは、仏像の表情に通じる赤ちゃんの清らかな気品ある表情に、愛らしさを融合させた丸いお顔と、何十本もの線が作りだす「笹目技法」のやさしいまなざしが特徴です。 百年を超える伝統の中で、時代に合った型や色彩、飾り方など、雛文化に新たな価値を付加してきました。 百段雛まつり展では、東京を代表するお雛さまの一つとして、皆様をお出迎えします。


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